本郷、花のお七と申す
淫乱狂女 娘は夢七色

お江戸大火 やおやはやかれ
壇ノ寺の男と恋慕

反響乱
狂乱女

お吉様 お吉様
肉枯らず思い
まだ幼き娘十六 ああ

恋契り、恋契り
臍と臍合わせ
恋し哀しき夜毎結ぶは、暁の闇

家へ帰る足取り重く
胸に火の粉、燃やすは恋心

浅ましくも女心は
火事があれば、また会えますか

反響乱
狂乱女

火の用心 火の用心
藁に火をつけて
家へと投げ放ちました

狂い咲き 狂い咲き
娘はお縄に
啼く啼くと引き回されるはお江戸市中

吊るしあげ、吊るしあげ
処刑は火炙り
銃士と言えば助かるに ああ

焦がされて 焦がされて
振袖罪の花

三月二十九日 処刑、お七は死んだ