創作逆モラトリアム
日がな一日
傑作のストーリーを

ちょっと待てよこれ名作だ
からの一転してこれ凡作だ
超非生産的でモラトリアム
逆回転待ったなし

八割書いてまた白紙
頭抱えて何度も小休止
効率厨が泡吹く効率性
そりゃ早死にですわな

こちとら遺言じゃない
そう遺言じゃない
書きたいのは全然遺言じゃない
矛盾と葛藤 いらんプライド
背負ってもダメだよダメ

創作逆モラトリアム
日がな一日
傑作のストーリーを
環境じゃない
ない才能じゃない
ドタバタ書き上げてやんのさ

100点取れないままで
年を取り死ぬのもまたご愛嬌
最高の日々じゃなくたって
最後笑ってくれればもう充分

キャッチーでいてかつ斬新で
10年後色褪せない名作を
ハッピーで 少し憂鬱で
ありきたりなぼくの歌を

こねくり回すよりもとどのつまり
喉ついで出る言葉がかしましい
古典式落語 神頼みの末に
切って剥がしての繰り返し

全部ちゃんとやらんと
全部死ぬって知ってたのに

まだ全然終わんないぜ
戻れないしわかんないけど
超非効率でモラトリアム
そんな傑作のストーリーを

創作逆モラトリアム
まだ凡作が原作のストーリーを
最高金賞のワインではない
綺麗な水を書きたいのだ

とんだ歌詞と曲展開で
苦笑いする日々すら人間譚
忘れるまで忘れないで
それでもドラマティックな終活だ

多分この展開は
得策じゃない
けどこれ書きたいから
まあしょうがない

理想の世界なんてない
だから描く
神様もストーリーも

右往左往巡り巡って
いつか君の人生を書きたいよ
ねえ忘れるまで忘れないで
人生ドラマティックな終活だ

生きる証が書くこの六十行